いつの時代も生きていくのにやっぱりお金は大切です。
農民は年貢を納めていましたが、商人や職人はどのように税金を払っていたのでしょうか?江戸の庶民は、どれくらいの収入を得て、お財布事情はどうだったのでしょうか?
なにかと人の収入は気になるものですが、江戸時代の庶民と呼ばれる人たちは、どのような生活をしていたのでしょうか。
当時の家賃や物価など、気になる庶民のお財布をちょっと覗いてみようと思います。
江戸時代の税金といえば年貢を思い浮かべるかたがほとんどだと思います。しかし年貢は農民の納めるものなので商人や職人は納めません。
代わりに商人や職人には、「冥加金」や「運上金」という税金が課せられていました。ただ、これを納めていたのは裕福な者だけで、長屋に住んでいるような町人に納税義務は無かったのです。
江戸っ子は宵越しの金は持たない、なんていう言葉を聞いたことがあると思います。では、なぜ江戸っ子はお金を貯めなかったのでしょうか?
実は、宵越しの金を「持たない」のではなく、「持てない」という経済事情によるところが大きかったようです。ただそこは江戸っ子、貯金が無いからと暗い生活を送っていたわけではなく、「世の中、金がすべてじゃない」という心があったのです。
もちろん江戸時代には電話もメールも無かったので、通信手段は手紙ということになります。当時、手紙を運ぶ郵便といば飛脚ですよね。
幕府公用の郵便システムもあったのですが、それを真似して大阪で飛脚業を始めた商人がいました。文字通りすべて人の足で運んだ飛脚、いったい料金はどれくらいだったのでしょうか?
料金にはランクがあり、江戸〜大阪間、一番安いもので今の金額にすると千円程度だったようです。意外と安いですが、届くまでに30日ほど掛かったそうです。
いくつか料金のランクがありましたが、江戸〜大阪間を4日で届けるという速達のようなものがあり、今の金額で20万円以上したということです。
ひとくちに長屋といっても、かなり高級なものから激安なものまでありました。一般的なところで今の金額にすると8千円程度、4千円ぐらいのものから2万円近くするものまであったそうです。
平均的な職人などで、月収の10パーセント程が家賃という家が多かったようで意外と安く感じますが、食費など生活費の負担が大きく、やはり生活は厳しくて家賃を滞納する者も多かったのです。